のせむすびびと vol.1 染めどころゆう 山本有子さん

 

季節の植物を使った草木染め教室


のどかな山村の趣を残す能勢町長谷。細くうねった坂道を上った先にある古民家が、草木染め工房&教室「能勢の染めどころ ゆう」です。染色家の山本さんが講師を担当し、山桜や藍、栗など、そのときどきの季節の植物を使った草木染め教室を開いています。「能勢は秋になれば栗が山ほど採れるし、ヨモギやセイタカアワダチソウといった子どもたちでも採れる草花も豊富」と斎藤さんが語るように、自然に恵まれた能勢町ならではのときに淡く、ときに鮮烈な色合いが楽しめます。

教室では染めだけでなく生地の一部を縛ったり縫ったりすることで独特の模様をつくる「絞り」の指導も行っています。また斎藤さんは愛知県に伝わる「有松絞り」の名人に師事して、今では知る人が少ない「手蜘蛛絞り」も習得しており、教室の生徒さんに伝えています。

教室は午前と午後のそれぞれ半日で開催し、1人から4人までのグループレッスンが基本。通うのは女性を中心に子連れの方も多く、大人が染めている間、子どもたちは野山を走り回ったり虫を捕まえるなど、都会にはないゆったりとした雰囲気も魅力です。


能勢の風土が都会にはない良い色を生み出す


もともと趣味として30歳頃から染めをはじめたという斎藤さんは、藍染めの本場徳島やミャンマーをはじめとする海外を訪問するなど、国内外の染めの技術を積極的に学んでいきました。長く勤めていた教師の仕事を退職したことを機に今の場所に工房兼教室を構え、染色家としての活動を本格化させました。「ここは能勢の中でも奥まった場所にあって、山に囲まれた静かな雰囲気や、能勢町ならではの棚田の風景を見渡せるところが気に入っています」と語る斎藤さん。家屋の裏手には畑もあり、染めの材料になる藍を育てています。

一から藍を育てて、刈り取り、乾燥させるといった作業には大変な労力が伴います。また昨年は足を悪くして畑仕事も難しくなったそうですが、地域の方や生徒さんが手伝ってくれるのだとか。「ここにいると大変なこともありますが、季節に追い立てられるように色々な草花に出会えるし、何より空気がきれいだから、都会にはない良い色が出ます」と能勢での毎日に満足しておられる斎藤さん。作家として、講師として精力的に活動しておられます。




古民家をそのまま利用した工房。
玄関にも草木染の暖簾がかかってます

藍のリース。可愛い!


自然の力で染める草木染。能勢の風が似合います。


優しい色合いの草木染は、おひさまも風も、能勢の風景もよく似合います♪


ロウで絵をかき、染色液に漬けると絵の部分を残して染めることができます。


水道の塩素に触れるといっきに鮮やかな色に。
草木染は化学の実験室。


風にそよぐ様子を見ていると喜んでいるみたいですね

能勢特産のくりのいがを使って染めているところ



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