のせむすびびと vol.12 一里松キャンプ場 片桐さん
国道173号線を北に進み、山道に差し掛かる手前に
自然のものをうまく利用してなるべくコストをカットするだけでなく、自然の中で野営をするにあたり、便利なものに頼り切らず、雰囲気を壊さない。
そういったサービスが喜ばれるんです。」
黄色い文字で書かれたひときわ目を引く看板「一里松キャンプ場」。
名前はよく存じていましたが、このキャンプ場特集を組むまでは、
いったいどんなところか、恥ずかしながら誰も知りませんでした。
前号の「のせむすび」をお持ちした際に受付まで入らせていただいたとき、
ふと、違和感を感じました。
悪い意味ではなく、いい意味で。
整然としてとてもきれいな印象です。
答えは出ずに、その時は良い違和感だけが残りました。
そして今回のキャンプ場特集での取材でその個人的な謎が解明します。
取材にご協力いただいたのはオーナーの片桐さん。
京都の料亭で板前をしたのち、このキャンプ場に戻り、経営の指揮をとります。
現在は更生を目指す未成年をサポートする保護司もしているそうです。
足を踏み入れた瞬間、感じる違和感。
それは全く悪いものではなく、反対に清々しいものでした。
その理由はすぐにわかります。
キャンプ場がとてもきれいなのです。
自然といえば、無秩序で整っていないもの。
なのにここは整然としていてとてもきれいなのです。
きれいといっても最新の設備や洗練された建物があるわけではなく、むしろ、昭和の雰囲気を残したレトロな印象の山小屋や建屋が川沿いに立ち並び、どこか懐かしい古き良きキャンプ場、といった雰囲気。
そのことをオーナーの片桐さんに伝えると、ワハハ…と豪快に笑ってこう切り出されました。「薪に火をつけるのってどうやります?」着火剤やバーナーで…「人口のものではなくなるべく自然のやり方で」小枝とかを拾ってきてですがなかなか点火しないですよ…。
「松の葉っぱを使うんです。松ってゆうのは松ヤニがあるでしょ?それがよく燃えるんですよ。その葉っぱを拾うときに、そこにゴミが落ちていて汚かったらまずはゴミの除去作業からしなくてはいけない。手間じゃないですか?きれいに乾燥させて売っている薪につけてあげるんです。
そういったサービスが喜ばれるんです。」
こうゆうアイデアは経験と努力によって考え出され、多くのキャンプ場の中で常に最先端を行き、まねされる立場にいなくてはいけないとのこと。畏れ入ります。
小学校の課外学習や幼稚園のお泊り保育も積極的に受け入れる一里松キャンプ場。利用客のほとんどが幼稚園や保育所からの団体利用だそうで、その界隈では有名のキャンプ場とのこと。
(実際、大阪市内に住む私の甥っ子も、幼稚園の行事でこのキャンプ場を利用していました。)
お話を伺っている間にも、職員の方が丁寧に掃除をされています。
それは森の中の落ち葉にまで及ぶ徹底ぶり。
「堆積した落ち葉に蚊がわいて小さい子が刺されたらかわいそうでしょう。
施設として予防できる部分はしっかりしないといけない。」
手すりやスツールに使われる木材はすべて面取りがされており、棘がささらないようペーパー掛けが施されています。
これも、掃除をすることにより、危ないものが落ちていないか、手すりや柵などで使っている木材に毛羽立った部分などの不具合をみつけやすくなるとのこと。
広い場内を移動するためのバイクはすべて転倒しにくい3輪バイクに。
事故やけがを防いでいるそう。
場内を流れる小さな川も、澱みを作らないよう設計。
ポンプで水をくみ上げ人工的に流している部分もあるそうです。
よく見ないとわからないほどの自然な作りで。
水がたまるとボウフラがわいてしまうから。
でも、ここに自然を求めて来られる方をがっかりさせないように。
整っているということは、すべての基本。
人を迎えて、安全を前提に楽しく過ごしていい思い出をもって帰ってもらうことで、信用となり、また次につながる。
人を迎えて、安全を前提に楽しく過ごしていい思い出をもって帰ってもらうことで、信用となり、また次につながる。
一見大自然の中のキャンプ場は、実はお客様への気遣い、見せ方の工夫や企業努力が細部にまで組み込まれ、広大な敷地内すべてがしっかりと管理された自然のテーマパークなのかもしれない。予約や問い合わせの電話が鳴りやまないほどの人気キャンプ場の所以はここにあるのだと納得でした。
幼稚園や保育所のカリキュラムに合わせた演出も。
夜のキャンプを見学させていただきました。
キャンプファイヤーが終わると、赤い星が残ります。
家族から離れてたくさん初めての経験をし、キャンプですこし成長した誇らしげな姿。
ぐっとくるものがありますね。
他にも様々な遊び場がたくさん。
日中には自然の中で文字通りどろんこになって遊びます♪
3段階の根性試し、しゅぎょうのたき。
生き物と触れ合える池。どろんこ遊びのできる田んぼ。
寝転んで星を見上げる原っぱ。
安全に自由に遊べる川。
個人利用の方ももちろん遊べます(^^)
家族利用に人気のロッジに、
8m×15mの広い区画のオートキャンプ。
詳細はHPでご確認ください。
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一里松キャンプ場(岩屋寮)
http://www.ichirimatsu.com/
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人気過ぎて、お電話がつながりにくい時が多々あります。
気長に、どうぞ。


















